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誰しもが、過去に悲しいことや辛いことがある。
そして、人には言えない秘密があるものだ…と思う。
それらは、必ずしも人に言わなければならないのかというと、そうではない。
かえって、相手に気を使わせたりすることもあるからだ。
だから、沙都子も兄貴を失った悲しさや辛さを全部、自分で抱え込んでしまった。
本当は、誰かに甘えたい年頃だというのに…
雛見沢連続怪死事件のせいで、辛い目に…



ひぐらしのく頃に
月明かり編
第弐話:高鳴り

昭和58年…雛見沢での惨劇。
このStoryは、ひぐらしのなく頃にの二次創作小説です。
注意:Fictionです。



沙都子は、立ち上がった。

「にぃ〜〜にぃ〜〜には、もう頼らないって決めたんですから…。強くなるんですから…。」

と呟きながら。
そして、沙都子は走っていった。
その姿を見送った後、俺は一人罪悪感に苛まれていた。
気付くと、チャイムが鳴っていた…。

「どうしたの…圭ちゃん?」
「どうしたのかな?かな?」
「どうしたのですか?」
「どうしたんですの??」

皆は口々に聞いてきたが、

「俺の作戦負けだった…敗北を認める…。」

と言って、結局はナース服姿で帰るはめになった。

「じゃあねぇ〜〜。」
「じゃあね。」
「じゃあな。」
「ばいばい、なのです〜☆」
「それでは、さようなら。」

沙都子と梨花は、俺達と帰る方向が違うので別れた。

「圭ちゃんって、何かナース服似合うよね。」
「ほんとだね〜〜、梨花ちゃんのナース服姿もかぁ〜〜いいけど、圭一君もかぁ〜〜いいね〜〜。
 お〜持ち帰り〜〜」

レナは、可愛いモードに入った。
そうしているうちに、魅音と別れる道になった。

「じゃあね…。」
「じゃあね…圭ちゃんは、ちゃんとそのまま帰るんだよ。」
「ああ、分かってる。」

そうは言ったものの、誰もいなくなったら脱ぐんだけど…。

「圭一君…、本当に似合ってるよね…。」
「そうか??そうでもないと思うけど…。」
「本当に、似合ってると思うよ…。」
「そうかな…。」

何か、誉められてもびみょーなんだけど…

「そうだよ…そういえばさぁ…、なんで負けたの…?」
「えっ、それは…皆が隠れるの上手かったから…だよ。」

「嘘だっ!!!!!」

レナは叫んだ。
その時、木々はざわめき、鳥達は一斉にここから離れていった。
その間、俺は何も喋れなかった。
レナはいつもと雰囲気が違っていた。

「だって、放送で悟史君がいるからって呼び出したんだよね…、沙都子ちゃんを困らせるために…。」
「違う…。」
「でも、沙都子ちゃんはそんなに弱くないよ…。言ってたでしょ…”にぃ〜〜にぃ〜〜には、
 もう頼らないって決めたんですから…。強くなるんですから…。”ってさぁ…。
 嘘ばっかりだよねぇ〜〜、ほんと、圭一君も沙都子ちゃんもさぁ〜〜。
 だから、悟史君もいなくなっちゃったんだよねぇ〜〜。」
「おい、レナ!!」

俺は、その冷え切ったレナの声を遮った…。

「あれ、圭一君。どうしたの??」

次の瞬間、レナはいつもの明るい声に戻っていた。
さっきのは一体なんだったんだろう?
まるで、悪い夢でも見ていたかのようだ。

「何でもねぇよ。」

俺はそう言うと、さっきのは悪い夢だった…。
そう思い込むことにした。
…そんなことを考えているうちに、レナとの分かれ道に差し掛かった。

「じゃあな…レナ。」
「じゃあね…圭一君…また明日…。」

そして、俺達は別れた…。




あとがき

ひぐらし第二期放送中だそうで…少しですが、見ましたよ。
解の方だそうで…。
結構、面白かったですね。
最終話は、どうなるんでしょうか?
見る機会があれば…ですけど、見たいと思います。



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